2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
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5.カメラ雑文
6.写真置き場
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カメラ雑文

[305] 2001年09月28日(金)
「ステレオマクロ」

大口径レンズを用い、そのボケ味を活かすため常に開放絞りでポートレートを撮る者がいると聞く。径の大きなレンズ面から想像されるその被写界深度の浅さは、霧の中から現れ出る妖精の如くモデルの姿を浮かび上がらせることだろう。

我輩が初めて望遠レンズを使った時も、絞りは常に開放としていた。ただ我輩の場合は単純に、望遠レンズの開放F値が5.6と暗く、露出的には開放絞りしか選択の余地が無かった。被写界深度など二の次だった頃の撮影ゆえ、絞りの設定に特別な意図などあろうはずも無い。

しかし今は反対に、最小絞りを多用するようになった。・・・とは言っても、それは一般撮影では無く、商品撮影やマクロ撮影での話。これらの撮影では目一杯絞り込み、思い切り被写界深度をとる。
特にマクロ撮影では被写界深度は極端に浅いため、十分絞り込まねば何が写っているのか分からなくなることもある。絞り込みすぎると、光の回折によって画質が低下するそうだが、それを承知で絞り込むのだから、いかにマクロ撮影での被写界深度が浅いかが想像出来よう。


さて1年前、ステレオ写真についてのアンケートを取った。その結果、裸眼でのステレオ視が出来た者30人、出来なかった者3人という集計となった。つまり、この数字をそのまま受け取るならば、9割の者がステレオ視可能ということになる。
そういうわけで、今回久しぶりにステレオ写真の掲載をしてみたい。

今回は、マクロフォトでのステレオ写真である。
以前にも述べた通り、ステレオ写真というのは画面内の全てにピントが合っていなければステレオの味が薄れてしまう。しかしマクロフォトでは、それがなかなか難しい。最小絞りでの撮影を可能とするには、ストロボなどの強力な照明光が不可欠と言える。

だがうまく写ると、肉眼ではなかなか体験出来ないような小さな世界での立体視が可能となる。
使用レンズは例によって「50mmF1.8」。デジタルカメラの「EOS-D30」に、接写リングを2つかまして装着した。全て最小絞りF22にて撮影しているが、それでも被写界深度内に全てを収めることは出来なかった。


−EOSマウントの電気接点−
左目 右目
EOS630のマウント部。普段はあまり目が行かない部分であるが、こうして見るとどこか都会に造られたオブジェのようにも見える。
(1/180sec. F22 ISO100 ストロボ使用)


−Nikon F3軍艦部−
左目 右目
1枚の単独写真では、単に3つの円形が配置されているのが見えるだけ。ところがステレオとして見ると、3つの位置関係がなかなか面白い。
(1/180sec. F22 ISO100 ストロボ使用)


−Nikon F3フィルムカウンター部−
左目 右目
透明プラスチックを通して見るフィルムカウンターであるが、1枚の写真を単独で見ると、プラスチック表面に光が反射しているだけの見づらい写真である。だが、ステレオ写真で見ると、プラスチックの厚みを感じさせ、フィルムカウンター部分がその奥にあるということを実感させる。じっと眺めていると、今にもカウンターが動きそうに思えるのが面白い。
(1/180sec. F22 ISO100 ストロボ使用)


−蚊−
左目 右目
涼しくなってもまだ蚊はいる。注射針を突き立てようとするような姿で、見ているだけで痒くなってくる。しかし、興味を持って眺めると、このような小さな身体の中に、「CO2探知機能」、「飛行機能」、「血液を吸う機能」、「血液貯蔵機能」を備えているというのは驚きに値する。
(1/180sec. F22 ISO100 ストロボ使用)