2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[295] 2001年08月20日(月)
「時代はデジタル画像」

8月11日、霊になったオバチャンの初盆のため、寺でお経をあげてもらった。我輩はそのために帰省したのであるが、久しぶりに会う親戚数人も同席した。

同席したのは皆、歩いて行ける範囲に住んでいる親戚同士であるが、我輩は高校を卒業してから地元を離れているので、本当に久しぶりの再会である。我輩は持参したデジタルカメラで一同の記念撮影をした。
なお、デジタルカメラで撮影した理由は、我輩の母親のパソコンから皆に1枚ずつプリンターで印刷して配ってもらえば良いという判断からである。それなら現像処理や写真の郵送の手間も省ける。
ただ、プリンターで印刷した時のクオリティが気になるところ。インクジェットプリンターであるから、さもパソコンで出力したというようなものになるのではないかと思った。

しかし、その心配は無用であった。母親の購入したプリンターはエプソンのロール紙印刷のもので、光沢が写真印画紙的で、パッと見た目に美しい。
だが、やはりじっくりと見るとプリンター出力というのが分かる。本物の写真印画紙と比べては身もフタも無い。

しかし、一般人にとっては、そんな違いは気にならないことだろう。いや、むしろ今までの粗製濫造のプリントに比べれば、こちらのほうがよっぽど良い色に見える。このままでは、写真の持つ実力(ポテンシャル)を知らぬ一般人は、いずれ銀塩写真を見限る。

最近はラボでもデジタルデータをピクトログラフィーなどで出力するサービスをやるところが増えてきたらしい。一昔前ならば、ピクトログラフィーは「バンフー」や「リスマチック」などの出力センターなどでしか出力出来なかったものである。しかもA4サイズ以上であり、400dpiのTIFF形式に加工しなければならなかった。
それが小さなプリントサイズでどのラボからも出力出来るようになれば、銀塩写真というのは特殊な趣味となってしまうかも知れない。そうなると、銀塩写真にこだわる者は肩身が狭くなる。

ここで、モノクロ写真を振り返ってみる。
モノクロプリントが自家処理中心となったのは、時代の流れによってモノクロからカラーが一般的になったからである。当然、少数派のモノクロはラボ処理が高価となり、自家処理のほうが安くあがるのだ。
モノクロにこだわる者にとって、大量処理による廉価の恩恵に浴することが出来ず、歯がゆい思いをしたに違いない。
(もっとも、自家処理によって表現のコントロールが容易になった)

今、デジタル画像が一般に浸透しつつあり、モノクロと同じような図式が再現されようとしているように思える。多数派に相乗りすべきか、それとも自分のこだわりを貫き通すか、それが問題だ。

デジタルデータはそれだけでは高画質を堪能出来ない。出力して初めて人間に解る。
パソコンモニターでは解像度が100〜150dpiと比較的低く、高解像度のデータを表示させると画面からハミ出す。
一方紙プリントでは高解像度で印刷出来るものの、反射原稿のために階調表現に限りがある。
やはり解像度、階調ともに優れるリバーサルに代わるものなど無い。
だが、そのこだわりをいつまで持ち続けていられるか我輩には分からない。いずれ画期的な出力機が登場するか、あるいは我輩が性能を捨て利便性と値段へ妥協するか・・・。

ただ、我輩の思想とは無関係に、時代は確実にデジタル画像へと進んでいる。