盆休みが近付いてきた。
今年は
霊になったオバチャンの初盆であり、親戚中が集まって寺で供養も行うらしいので、我輩も帰省することにした。
さて帰省するとなると、必要になるのはカメラ。
今年はデジタルカメラという選択肢が増えて、我輩を更に悩ませる。
限られた手荷物の中で、どのカメラとレンズを持って行くのか・・・。これは最後の最後まで悩む問題である。今回はなるべく早く心を決めたい。
前回、デジタルカメラ「EOS-D30」の野外テストを行った。その経験によると、どうもデジタルカメラを使うとシャッターを押す回数が増えるようだ。気安く撮影出来るのが原因か。従って、我輩が所有する記録メディア最大の260枚(高画質JPEG記録)ではとても足りない。36枚撮りフィルムに換算すると7〜8本程度でしかない。そうなると、ノートパソコンを持ち運び、データが一杯になったらパソコンから吸い上げるしかない。
パソコンは持ち帰るつもりでいたのだが、さすがに撮影時まで携行したくない。葛西臨海公園に行った時には途中で一杯になったことを考えると、デジタルカメラを丸一日使うには追加のメディアが必要となろう。1GBのマイクロドライブだと5万円弱か。・・・やめておこう。
まあ、「EOS-D30」は基本的に室内撮影を目的にしていたのだから、今さら屋外で使用することなど考えるべきではないとも言える。もしデジタルカメラを持って行くとするなら、メモ用として小さなものをカバンの片隅にでも入れておこうか。なまじメインカメラと張り合うようなものを持って行くと、それこそ目的を失う。
そうなるとやはり「Nikon F3/T」の出番となる。
F3というのは一般人にもその良さが分かるカメラのようだ。今年の正月、別府に遊びに行った時に一組の中年夫婦にシャッターを押してくれと言われたことがある。ヘナチョコ妻がシャッターを押してやったのだが、チラッと見るとオイちゃんが渡したカメラは「Canon EOS700」のように見えた。どう見てもカメラにこだわっているとは思えない。
今度はオイちゃんが「こちらもシャッター押しましょう」と言ってきたのでF3/Tを渡した。オイちゃんはシャッターを何気なく切ったが、そのあとF3/Tをビックリした顔で眺めてひとこと言った。
「なんやこのカメラ、シャッターが感触ええわ!」
「そらそうよ、20万すんやもん」
「ほあ〜、かいこせん?(とりかえっこしない?)」
そして皆で笑った。憎めないオイちゃんだった。
久しぶりにF3のシャッターを切ってみた。なかなか切れが良い。本来なら当たり前のことであるが、シャッターボタンを押した瞬間にシャッターが切れるのが新鮮。EOS-D30ならば、AFや記録メディアの用意が出来て初めてシャッターが切れる。
いつでも気軽に行ける近場ならまだしも、新幹線で7時間くらいかかる場所へ持って行くカメラなら、撮影者に心労をかけない癒やし系カメラが最適なのだ。
それからフィルムについてだが、帰省時の撮影の目的とは、現時点の風景を記録し固定させるということである。現時点ではあまり価値を感じない地元の風景であるが、年月を越えた風景は貴重なものとなるはずだ。そのためにもリバーサルフィルムならば耐久性は心強い。24mmF2.8と万能レンズ50mmF1.8で映像を焼き付けることにしよう。
・・・結局、今度の帰省も同じ結論になったなあ。