2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[285] 2001年07月27日(金)
「やはり思ったとおり」

ハインリッヒの法則によると、「重篤事故が1件発生する背景には、軽微な事故が29件、ハッとする出来事が300件ある」という。予測不可能な事故に見えても、それが起こる前段階として、表面に出てこない小さな出来事が起こっているのである。
それら小さな出来事に気付かない限り、事故は予測出来ない。


どこかで同じようなことを書いたのだが、ウチの近くの水戸街道は信号無視が非常に多い。信号が黄色になっても止まらないのはどこの地域でも同じだろうが、赤になっても全力で疾走する車は後を絶たない。
これは、信号待ちをしている我輩(歩行者)の目の前で起こったことだが、ある日、右折しようと交差点中央で待っている車が、信号が赤になって対向車が止まるかと思ったのか右折を始めた。しかし、対向車は逆にスピードを上げて交差点に進入した。右折車は急ブレーキを踏み、車体が前後に揺れた。そのわずか前を暴走車が抜けていった。
あれは本当に危なかった。少しでも右折車の揺れが大きければ、暴走車との接触は免れなかったろう。
このケースでは、当然ながら事故として記録されることはない。



また、これも同じ交差点の出来事であるが、街道側の信号が赤になり、気の早い者は横断歩道を渡り始めようとしていた。
「水戸街道を渡るのに見切り発進するとは命知らずなヤツめ」と思って見ていると、1台のトラックがタイヤをきしませ、道路から煙を吹き上げながらそいつらの前をかすめて行った。
「キュキュキュキュ!」と壮絶な音を立てながら、斜めに傾いていて走るトラック。もう少しで片輪走行になるかと思われた。運転手の姿がスローモーションのようによく見えたが、かなり焦っている様子が手に取るように判って笑えた。
理解出来ないのが、街道側の道路を直進してきたトラックではなく、街道を横断する側のトラックだったということだ。しかも、駅のロータリーから出てくる道路なので、向こうのほうからスピードを上げて突っ込んできたということも考えにくい。
我輩が考えるに、このトラックも歩行者と同様に見切り発車して、横断歩道に歩行者が出る前に急発車で強行左折しようとしたのかも知れない。横断者がいれば、左折したくても手前で待つしかないからな。だが、歩行者もまた見切り発車したので、お互いに衝突の危険があり、急ハンドルでトラックが斜めに傾いたのだろう。
その道路には、真っ黒なタイヤ跡と白い煙が残った。トラックはその先で数秒止まっていたがすぐに発車して去った。
このケースでも同様に、事故として記録されることはない。



これらのケースは事故に至らなかったものだが、水戸街道は前頭葉の未発達な無法者が多く存在するため、特定場所に限っても、1日に何度も同様なことが起こっているに違いない。たまに、交差点に細かいガラス片や何かの積み荷が散乱していることがあるが、我輩の見ていない時に事故でも起こったのだろう。
警察もたまには気にすることもあるのか、交通整理をやったりすることもある。しかし、それもすぐ止めてしまうので意味が無い。
そのような状況から考えると、このような出来事に遭遇するのは偶然として片付けるにしても不自然だ。先の「ハインリッヒの法則」を考えてみると、このような事件が300件ほど続くと、重大事故が起こると予想出来る。
だからこそ、我輩はメモカメラの必要性を感じていたのである。


さて、7月27日朝、いつものように出勤しようと駅へ向かった。水戸街道の信号が遠くに見える。しかし、そこには救急車の回転灯が見えている。何事か?
近付いてもあまり様子が分からない。消防車のような赤塗りの車両も停まっている。火事でも起きたか?
ふと手前を見ると、前部をぶつけた乗用車があった。交通事故である。緊急車両に気を取られ、事故車を目の前で見るまで気付かなかった。

我輩はとっさにカバンの中を探した。 幸い、営業に配属されて大きなカバンを持ち歩いていたこともあり、メモ用としてデジタルカメラは常に携帯していた。 カメラのスイッチを入れたが、撮影可能になるまでの時間がもどかしい。最初の1枚目はシャッターの切れるタイミングが合わずフレーミングがズレてしまった。もう一度ゆっくりとシャッターを切った。


7月27日8:00頃

やはり我輩の思った通りだ。いつかはこのような事故に遭遇すると思っていた。それは当て推量やカンなどではなく、今までの状況から自ずと推測されたことであり、ある意味必然とも言える。
ハインリッヒの法則が正しいとするならば、恐らくこの日までに300件の小さな出来事が起きていたことになる。

やがて信号が青になり、我輩はその様子を見つつ駅へ向かった。
負傷者がいたのであろうか、背後で救急車のサイレンが鳴り始め、その音は急速に移動し小さくなっていった。