2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
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5.カメラ雑文
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カメラ雑文

[257] 2001年04月20日(金)
「写真のタイトル考察」

写真のタイトルというのは、写真そのものの位置を想像以上に左右する。良い効果を与えるのはなかなか難しいが、写真そのものを貶(おとし)めることは比較的たやすい。
ここでは、我輩の思う範囲内で、良くないタイトルの例を2つほどまとめてみた。


−−−(その1)−−−

大学生の頃、我輩は大学祭実行委員会広報局に所属していた。
そして皆で、よく帰り道に居酒屋へ寄ったりしたものだった。

遅くまで残って活動をやっている者は、大学祭にかなり入れ込んでいる者である。我輩もその一人であった。いわば「似たもの同士」、先輩後輩も無く楽しく飲んだ。

大学生であるからまだ二十歳前後の若者たち。ベタなギャグでも十分に盛り上がる。我輩もよくバカなギャグを飛ばした。
テーブルに事務局長がオーダーした焼き魚が来ても普通には渡さない。
「局長ご注文の、魚の死体が来ましたぜ!」
「オイオイ、勘弁しろよ〜。確かにそうだけどよぉ!」
時と場所を間違えればかなり寒いギャグであるが、ノリが違うのでウケる。

「魚の死体」・・・。今考えれば、よくこんなことを思い付いたものだなぁと思う。
ギャグ抜きで考えると、確かに見方を変えれば「焼き魚」は「魚の死体」に違いない。だが、食べる立場からすれば、それは料理であり、死体という認識など無い。だから、「死体」と認識させられてしまうと困惑するというわけだ。

写真のタイトルにしても、同じように言葉ひとつで観る者の見方をガラリと変えてしまうこともある。
全く同じ写真でも、タイトルをヒネリ過ぎてせっかくの「料理」が「死体」にもなり得る。意図的に意外性を導入するならいいが、少なくとも寒いギャグにならぬよう気を付けなければならない。



−−−(その2)−−−

大学の講義では、理数系でも一般教養課程として英語と第二外国語学(独語・仏語・中国語のいずれか)を学ぶ。
第二外国語では初めて学ぶ者がほとんどであるが、英語ではそこそこに知識のある者たちがいるようだ。そういう者の中には、教師が話す英語を聴いて何度も何度も頷いたり、ちっとも面白くない英語のジョークを聴いてゲラゲラ笑ったりする。そのジョークは鼻でフッと笑う程度のジョークであるのに、なぜかソイツらはゲラゲラと笑うのだ。そしてそれを日本語に訳している時には何度も頷く。まるで、自分が「英語をよく理解しているんだゾ」とひけらかしているようにも見えて非常に見苦しい。

こういう連中は目障り以外の何者でもないのだが、そういう人間は、普段の会話からして勿体ぶって気持ちが悪い。
「この英文、なんて言う意味?」と訊いてくるので
「えっ? *****だろ?」と答えると、
「やっぱ、普通の人はそういう意味に取っちゃうんだなぁ。」
そう言って一人で納得して去って行く。自分だけが分かっているというのを強調したかったのか。

コイツの手口は、ワザと質問し、相手が間違えるのを見届けてから初めて自分の意見を言うのだ。いわば「後出しジャンケン」。下衆(ゲス)な方法で優越感に浸るのだが、相手に正解を言われた場合はそれ以上何も言わない。

まあ、これは極端な例だったが、写真にしても英語のタイトルを付けているものを時々見掛ける。
いや、別に英語のタイトルが悪いと言っているわけではない。外来語として広く認識されている英語ならば、タイトルとして誰もが理解可能であろうかと思うし、効果的な場合もあるだろう。
だが、普通の生活でほとんど接しないような英語や、ともすれば発音さえ分からないような英語を選んで使っているものがある。同じ意味の平易な英単語も他にあるのに、なぜか馴染みの無いほうを選ぶ。

最近のポップミュージックは洋楽の影響を受けて英語のタイトルが多いが、そのミュージシャンのイメージに合わせた結果なので、それは許されるだろう。
だがどう見ても、外国の風景でもなく、外国人が写っているわけでもない写真に「instantaneous」とか「immortality」などの長くて見づらい単語を使っているのを見ると、写真を観るほうの眉が歪む。
もし本人の前でこの英単語の読みを間違えたり、意味を訊いたりなどしたら、それこそどんなレクチャーが始まるか・・・。本人の前でなくとも、そのようなタイトルを付けた心理状況を察して気持ちが悪くなり、写真どころの話ではない。