2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
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カメラ雑文

[226] 2001年02月10日(土)
「向かい合う2人」

先日の雑文「AFを使う者の心得」を読み返してみると、まるで「AFが実用に耐えぬものだ」というような書き方だったかも知れない。

しかし、我輩自身はAFカメラの能力を見下してはいない。
事実、現在のハイエンドクラスのAF性能は、大抵の場面では最大限に発揮され、AFの苦手なシーンそのものが少なくなっている。ただし、万が一の時には自分の能力だけが頼りであるということを忘れてはならない。先日の雑文で我輩が強調したかったのはこの点だ。

MFが使えないから選択の余地無くAFを使っているのか、あるいはMFが使える腕でAFを使っているのか。同じAFカメラを使っていても、その違いによってAFの価値が変わる。
恋愛と同じように、一方的に相手に依存する恋というものは、いつかは裏切られる。対等な立場として、大人の付き合いをしたいもの。

我輩が求めているのは、このような対等の立場を維持出来るAFカメラである。
確かに、EOS-1やF5のAF性能の素晴らしさは我輩が語るまでもない。しかし、ピントを合わせたい部分にフォーカスフレームを重ね合わせたり、複数のフォーカスフレームから1つだけを選んだりする手間と時間を加味し、トータルな作業量を考えるならば、場合によっては手動のほうが確実に早い場合がある。
フォーカスリング駆動の「速さ」だけではなく、それを含んだ全体の作業としての「早さ」のことである。

AFのほうが効率良いと考える者は、AFの「速さ」を律速とする撮影を多く行い、MFのほうが効率良いと考える者は、MFの持つトータルな「早さ」を律速とする撮影を多く行うのだと想像する。
(「律速」とは、全体の速度を決定づける要素のこと)
そのような立場を理解しないならば、AF支持者とMF支持者は互いに相手の主張を理解出来ないだろう。

向こうが自分自身の立場で論ずる一方で、こちらはこちらの立場で論ずる。
それはあたかも、向かい合った2人が右へ行くべきか左へ行くべきかを議論しているようなものだと言える。相手にとっての「右」は自分から見れば「左」であり、その関係を理解しなければ、相手を理解することは出来ない。

向かい合う2人が主張する方向、それは言葉としては互いに逆である。しかし、指さす方向は同じだということを忘れてはならない。