2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[207] 2001年01月16日(火)
「プラガン」

「東京マルイ」というと、そこそこ名の知れた玩具メーカーだ。
昔はかなり怪しくマイナーな玩具(例えばアダムスキー型UFOなど)も作っていたが、最近はトイガン(エアガンやガスガンなど)の分野でシェアを広げ、電動エアガンという独自の世界も切り拓いた。

ところで、我輩がマルイと初めて出会ったのは、小学生の頃だった。
金属モデルガンが中高生向けだったのに対し、マルイやLSなどはプラモデルという形でモデルガンを子供たちに提供してくれた。
中でもマルイのプラガンは、当時珍しいABS樹脂を使用し、キャップ火薬で発火も可能だった。

ハンドガンというのは通常、撃鉄(ハンマー)を指で起こした後に引き金(トリガー)を引くという動作の「シングル・アクション」と、引き金を引くことによって撃鉄が自分で起きて落ちるという動作の「ダブル・アクション」がある。

ダブル・アクションは、引き金を引く力を利用して撃鉄を起こすため、かなりの力がメカニズムに掛かる。
もちろん、このメカニズムが金属製ならば問題は無い。しかしプラガンは、いかにABS製といえども所詮はプラスチック。力一杯引き金を引くと、なんとなく引き金が「しなる」のを指に感ずる。
そして起きた撃鉄が落ちると、引き金の「しなり」が元に戻るのが分かった。
・・・まあ、ハッキリ言うと、チープな感触。

しかも、あまり何度も撃つと撃鉄が破損したりもした。強化プラスチックであっても、繰り返し掛かる衝撃には弱かったのだろうか。

そんなことから、我輩は亜鉛合金のメカニズムを持ったモデルガンに憧れたものだった。
リッチな友人に金属モデルガンを持たせてもらったのだが、その重量感はもちろんのこと、メカニズムの「切れ」にも大いに感動した。

その時、我輩は悟った。
「金属製というのは、見掛けよりもメカニズム内部に使ってこそ、真価を発揮する。」

金属メカニズム(上)とプラスチックメカニズム(下)。プラスチックではどうしても動きにネバりがあり、金属のような切れが無い。さらに衝撃に弱い。


さて、先日のミノルタα-303siの絞り機構が故障したという件だが、我輩は中古保証が1ヶ月しかないと勘違いしており、ヨドバシカメラを通じて修理に出してしまった。
実際は中古カメラ店での保証は3年あった。そちらに出すべきだったのだ。

それからしばらくしてヨドバシカメラから電話があり、修理代の見積りは8,100円だと言われた。
まあ、値段としては安いほうに入るだろう。工賃だけでも5,000円は越えるはずなのだ。
もちろん、中古カメラ店の保証が効いているあるため、修理作業をキャンセルさせたことは言うまでも無い。あらためて中古カメラ店に持って行くことにする。

それにしても、ニコンF3やFA、ペンタックスLXくらいならば修理で金を使うことはあまり抵抗感は無い。ところが14,000円のカメラとなると、修理で8,100円も払う気になれない。確かに安いのだが、高い。

このカメラはヘナチョコ用に買ったものであるため、出来るだけ軽くて安いものを選んだ。しかし、こうも簡単に壊れるとは・・・。
まあ中古品であるため、我輩が手に入れた時は既に壊れる寸前だったと言えるかも知れない。

ただ、このカメラのマウント部はプラスチック製である。
購入当時は、とにかく「安くて軽いものを」ということにしか頭に無かったため、あらためてそのマウントを見ると寒気がした。

「まさか、これはカメラ界のプラガンなのか・・・」

我輩はこのα-303siの中身を知りたくない。
そこには、プラスチック製のギアや軸、そして軸受けがあるだろう。それらはコンピュータ上のシミュレーションではうまく動いていた。しかし、それはプラガンのメカニズムのように気持ち悪い動きを続け、ある時そのメカニズムが破損した。その破損は、必然であった・・・。
プラスチックのマウントは、我輩に余計な想像を誘う。

プラガンは壊れるものだと子供ながらに納得したものだが、このカメラも同じことを我輩に教えているのか。


ミノルタは多角経営が進んでいないメーカーの1つだが、もし商売を広げるとするなら、得意な技術で「プラガン」を作ることを勧める。
そこでマルイを越えてこそ、初めてカメラを作ることを許そうぞ。