2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
 F3 (F3H)
 FM3A
 FM2
 FM
 FE2
 FE
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 FM10
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カメラ雑文

[130] 2000年 9月 3日(日)
「証拠写真」

我輩が千葉県松戸市へ移り住んだのは2年前である。
住所が変わったことにより、様々な手続きが必要になったが、免許証の住所記述の変更もその1つだった。

1998年6月3日、最寄りの松戸警察署に赴いた。受付に行くと、所定の用紙に記入して待つように言われた。
我輩は長椅子に座り、しばらく待っていた。ふと右のほうを見ると、若いカップルが後ろの端にある長椅子に座っているのが見える。待っているのはてっきり我輩1人だけだと思っていたのだが。

さて、しばらくすると1人の警官が現れ、こちらを見て名前を呼んだ。
我輩は警官の後について行き、指示されたイスに座った。そして、目の前の机の上に写真を広げて見せられた。それは、走っている自動車を写した写真だった。運転手の男の顔まで写っている。スピード違反で撮られた赤外線写真だろうか。

「これは誰ですか?」
警官は我輩に質問した。写真の男は知らない人物だった。我輩の友人でもない。
「さあ?」
我輩は警官を見上げた。
「本当に誰だか分からないんですか?」
警官は明らかに不機嫌になった。どうして我輩がこの男を知っていなくちゃならんのだ?

そのうち警官は、
「じゃあ、どうして警察に来たんですか?」
と訊いてきた。免許の住所変更に来て「どうして来たか」などと訊かれるのは初めてだ。こちらもそろそろイライラしてきた。
警官は「**さんですよね?」と言った。聞いたことの無い名前だった。
我輩は「違う」と答え、元の場所に戻った。人違いだった。

結局、このスピード違反の犯人は、隅のほうに座って目立たないカップルの男のほうだった。我輩とは似てもに似つかない男である。
警官が我輩のほうを見て呼びかけたのだから、我輩だと思うのは当然だ。しかもその警官の発音はハッキリしなかった。
スピード違反で出頭したのであれば、まず先に免許証を確認し、本人であるかを確かめるのがスジだろう。松戸警察では事務処理効率化のために、このような手続きは省いているのかも知れないが、省いて良いことと悪いことがある。

しかし何より妙だったのが、なぜ顔までハッキリと写しておきながらも、写真の男が我輩と似ていないことに気付かなかったのか? 大学受験でさえ、受験票の写真と違っていると試験官に質問されるぞ。
警察(少なくとも松戸警察)は、証拠写真を持っていたとしても、それは手続きの中で形式でしか使わない。何が写っているのかというのはどうでもいい話で、写真は単に必要書類の1つでしかないのだ。

しかし、警官とあろう者が、写真などの証拠物件をきちんと読みとる訓練など受けていないのか? 写真を丹念に見ることによって、「何かおかしい」と思う直感力は、警官こそが持っている資質だと思うのだが・・・、我輩の認識が甘いのだろうか。

結局、その松戸市の警官は一言も詫びることはなかった。まあ、警察らしいと言えば、警察らしい。