[104] 2000年 8月 3日(木)
「Newsweek誌」
昨日、雑誌「Newsweek」を買った。
例のコンコルド墜落事故について、事故機の離陸の瞬間を捉えた写真が表紙を飾った。日本人ビジネスマンがレンズ付きフィルム(使い捨てカメラ)で撮影し440万円で売れたという、あの写真だ。
大きく引き伸ばしたと見え、粒子がハッキリと見えている。そしてその粒子の粗さが、逆に緊迫感を伝えているように思えた。まさか、ワザと粒子を粗く現像したわけでもあるまいが、それでも色はとても鮮やかに出ていたのが印象的だった。
粒子の粗い写真は、通常の場合、露出不足のネガを強引にプリントした場合に得られる。その場合、コントラストが低下し、カラーバランスも崩れてくる。しかし、このコンコルドの写真は、露出は十分にフィルムのラチチュードの範囲内に入っているようで、コントラストやカラーバランスが良好だ。
レンズの選べないレンズ付きフィルムで撮影したものであるため、小さく写ったコンコルドはフィルム上で拡大するしかない。粒子が粗れるのは当然ではあるが、それにしても「Newsweek」の表紙の写真はかなり粗れが目立つ。これは、「Newsweek」編集部が意図した効果だと想像する。
「拡大すれば粗れは出るのだから、この際、中途半端ではなく目一杯引き伸ばし、粗れを前面に出すか。」
ヘタに粗れを隠すよりも、積極的に粗れを強調したということが、この表紙をうまくまとめている。
しかしこの写真、もしデジカメで撮られていたとしたら、このような表紙にはならなかったろうと思う。銀塩写真なら「粒子の粗れ」であったが、デジカメならばジャギーが出てモザイク状となり、サマにならなかったはず。
実は連続3枚のうちの1枚らしいが、あとの2枚は記事中に小さく掲載され、粒子もそれほど目立たず普通の写真のように収まっている。しかし、やはり表紙の写真はインパクトがある。
(スキャンして載せたかったが、発売中の雑誌でもあり断念。440万円請求されてはかなわん。)
それにしても、レンズ付きフィルムで、コンコルドの離陸を3枚も写したとは、なかなか日本人ビジネスマンも侮れない。懸命にカリカリ巻き上げている様子が目に浮かぶ。
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