[034] 2000年 5月18日(木)
「フォトCD」
以前、自分の撮影したフィルムを、ヨドバシカメラを通じてフォトCD化したことがある。
その時の印象は、「ん〜、素晴らしい」だった。
先日、ふとしたことで、このフォトCDの画像を「アドビ・フォトショップ」で開いてみた。
その時の印象は、「ん〜、色が悪い」となった。
こんな色なら、自分でフィルムスキャナーを使って取り込んだほうがいい。正直、そう思った。
しかし、何か引っかかる。
いくら最近のフィルムスキャナーの性能が上がったり、我輩の色調整能力が向上しようとも、フォトCDが色褪せて見えるほどというのは、いくらなんでもおかしい。
しかし、何度見ても色がうまく出ていない。
そこで、別のアプリケーションソフトで画像を開いてみた。「アドビ・フォトショップ」よりも安いソフトだ。
すると、あの素晴らしい画像が蘇った。どういうことだ?
よく調べてみると、「アドビ・フォトショップ」では、フォトCDのPCDファイルを開く時に、何かを聞いてくる。最初は英語の項目だからと、ロクに見もしないで「OKボタン」を押して読み込んでいた。しかし、これはカラーマネジメントの指定らしい。多分、ここで自分の環境に合った最適なカラーマネジメント用ファイルを指定しなければ、色再現性がうまくいかないのだろう。しかし、どれがいいのかさっぱりだ。
そこで、フォトCDについて調べてみた。
フォトCDは、スキャナが読みとったRGB情報を、フォトCD独自の「フォトYCC」という形式に変換して記録するという。
これは、RGBの3種類のデータを数学的に光度信号(Y)と、2つの色信号(C)に置き換える。人間の眼が光度信号には敏感なのに対し、色信号には比較的鈍感だということを前提とした処理であるらしい。
単純に画像を開くとは言っても、パソコンで見るからにはRGBに変換することになる。するとその変換時の方法が適切でないと、先に述べたような「色が悪い」ということになるのだろう。
本格的なソフト「アドビ・フォトショップ」では、細かい指定ができるだけに、どれを選べば良いかが分からなくなった。皮肉にも、1万円弱のグラフィックソフトで読み込ませたほうが、何も聞かれることなく綺麗な画像を表示する結果となったわけだ。
昔のバージョンの「アドビ・フォトショップ」ではそんなことは無かったと思ったが、機能が細かくなった結果、このようになったものと思われる。もしそのことに気付かなかったら、我輩の中でのフォトCDの評価はかなり下がっていたことだろう。
フォトCDの画像を眺めながら、「やはり、フォトCDのクオリティを自分で出すのは、まだまだ先だな」と再認識した。
(以前、ウチの会社に「フォトCDシステム」なるもののカタログが回覧されていたが、そのシステムの値段は確か1千万近くしたと記憶している。もしその記憶が確かなら、個人でフォトCDを作成するのは残念ながら不可能と言える。)
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