2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[030] 2000年 5月14日(日)
「写真を遊ぶ」

写真というものが自分を表現するものであるということは前に書いたが、それは「作品」を残そうとする目的がある場合だ。しかし、趣味として写真をやる場合、楽しむということも重要であると考える。

カメラの性能が向上するにつれ、余計なことに凝ってしまうことがある。例えば、「後幕シンクロ機能」や「多重露出」など、カメラに備わっている機能は全て使わないと元が取れないと思っている者がいる。いや、本人もハッキリと自覚しているわけではなかろうが、無意識の強迫観念に囚われている。俗に言う、「貧乏性」というヤツだ。
「カメラに機能が備わっているから、とにかく使ってしまえ」というのでは、あまりに自分というものが無い。まあ、メカニズムを楽しむという点では良いかも知れぬが、そういう楽しみ方は、すぐにネタ切れとなる。そして、最新機種が出れば、すぐそれに飛びつくことになる。それを続けていると、ふと、空しい風が吹く時が来るであろう。「オレは本当に楽しんでいるのか」と。

写真を楽しめなくなったら、まず、自分の頭と手を使って遊んでみることだ。

数年前、ニコンから「ニコンおもしろレンズ工房」という限定生産のお手軽レンズが発売されたことがあった。3本のレンズ、「ぎょぎょっと20(20mm)」、「ぐぐっとマクロ(120mm)/ふわっとソフト(90mm)」、「どどっと400(400mm)」のセットだった。
このレンズ、実際に手に取ったことは無いのだが、写真で見る限り絞り環も無く、距離指標も見あたらない。我輩はこれを見た時、少年時代を思い出した。

我輩が初めて自分の一眼レフカメラを手に入れたのは、キヤノンAE−1だった。これは中古で手に入れたのだが、それでも1万5千円と、中学生だった自分には死ぬほど高価な買い物だった。当然、レンズは同時に買えなかった。
そこで、虫眼鏡か何かのレンズを使い、手作り交換レンズを作った。もちろん中学生の工作であるから、たかが知れている。レンズ鏡胴は厚紙で、カメラにはヒモで縛り付けた。かなり画面の端が円形にケラれて使いにくかったが、自分でいろいろ改良したりして、それなりに楽しめたものだった。

もう一つ、写真の遊び方がある。
それは、印画紙を使った写真撮影だ。フィルムの代わりに印画紙をカメラにセットし、撮影する。
大人の目から見れば、まさに「くだらない遊び」だが、やってみると結構おもしろい。
やり方だが、まずモノクロ印画紙をフィルム室に入るくらいの大きさに切り、それをカメラにセットする。もちろん、感光面はレンズの方向に向ける。この時、薄いシャッター幕に触れて破損しないように気を付ける。やるときはできるだけ安いカメラを使うほうがいいが、気を付ければ問題無いハズ。
印画紙の感度は低いので、撮影時はスローシャッターとなるだろう。
撮影後は、直ちにその印画紙を現像し乾燥させる。うまく行けば、ここでネガ映像が得られることになる。 さて、このネガ映像を反転させて通常の写真と同じにしなければならない。
得られたネガに、新しい印画紙を向かい合わせて重ね、ネガの裏側から光を当てる。丁度、ベタ焼きを作る要領だ。
最後に、感光させた印画紙を現像すれば、通常の写真が得られる。

「印画紙を使った場合、感度はどれくらいになるのか」とか、「何枚も続けて撮りたい場合はどうするのか」とか、「ベタ焼きの時、カーリングしている印画紙をどうやって重ねるのか」といったような疑問はあると思う。しかしそれらの疑問には、あえて答えない。「遊び」なのだから、自分で試行錯誤や創意工夫することが楽しいのだ。
そうすれば、写真の楽しさの原点が見つかるかも知れない。(「知れない」と書いたのは、楽しむのはあくまで本人の感覚の問題だからだ。)