[027] 2000年 5月10日(水)
「システムカメラ」
最近、システムカメラと呼べるものが少なくなった。
これは、喜ばしきことか、憂うべきことか。
昔のカメラは、単体ボディだけでは全くの「素」だった。ストロボも無く、ワインダーも無く、露出計さえも無い。そこで、外付け部品を追加することによって、色々なことが出来る「システム」が構築された。
その元祖が、「ニコンF」である。
しかし、時代が進むにつれ、カメラに内蔵される機能や装置が増えてきた。それに従い、システムは縮小され、整理された。
今は、カメラと言えば「オールイン・ワン」だ。全てがカメラに凝縮されている。買い足すものは、フィルムくらいか。
これは、1台のカメラであらゆる分野に対応できるという意味では、素晴らしい発展だ。
とは言っても、プロ用でもない限り、中途半端なものばかりがオールイン・ワンされているだけに過ぎん。そんなものでとりあえずの要求が満たされれば、それ以上望むような者はほとんどいないだろう。
確かに、写真人口は増えた。しかし、昔ほど写真を深く楽しんでいる人間がいるのだろうか?
頭の良い人間ほど、遊びやムダをバカにする。「合理的であること」が素晴らしいと信じて疑わない。しかし、そんな人間が、写真を撮って何が楽しいのか、我輩には理解できぬ話だ。せいぜいムダのない、計算され尽くした写真を撮るがいい。
その分、我輩は「素」に近いカメラで失敗写真をどんどん撮り、その解決を自分の頭で考える。そして、必要なアクセサリーを、自分の意志で選択し、導入するのだ。
メーカーには、もっともっと徹底的なアクセサリーを開発してもらいたいものだ。35mm一眼レフは、システムが組めるのが特長ではなかったのか?
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