雑誌を見ると、従来のカメラをデジタルカメラとして使えるというCCDが紹介されていた。
「SiliconFilm」というものだが、フィルムのパトローネの形をしている。
実は、我輩は1998年からこのCCDについて知っており、商品化も1999年とされていたと記憶している。しかし、待てど暮らせどそんなものが発売されたという話は聞かなかった。我輩はてっきり、この計画は頓挫したものと思っていた。
しかし、今回の情報により、細々とではあるが、着実に進化を続けていたことが分かった。
デジタルカメラの立場から見れば、今までの銀塩カメラシステムは過去の遺物であろう。しかし、現時点ではデジタルカメラ独自のシステムは存在しない。ニコンD1でさえ、銀塩カメラのシステムを借りている。やはりデジタルカメラの正しい進化とは、現在の完成されたものを引き継ぐことなのだ。
デジタルならではの特徴の1つは、形が自由であるということである。今まで、その自由さゆえに迷いがあった。カメラっぽくない形のデジタルカメラが主流だったのもそのためかも知れぬ。しかし、その自由というのを積極的に活用すれば、銀塩カメラとの境を無くすことができる。それが、今回の「SiliconFilm」なのだ。デジタルであるがゆえに、パトローネの形を真似ることができた。同じ銀塩システムであるAPSフィルムが35mmカメラに使えないというのにである。
念のために言っておくが、安物デジタルカメラは、ここではデジタルカメラとは認めていない。あれはあくまで、画像を取り込むためのスキャン装置だ。カメラなどとは一緒にできぬ。
ここで「デジカメ」と呼ぶのは、安物デジタルカメラを指す。つまり蔑称だ。漢字で書くなら、「デジ亀」だ。歩みはノロく、ひっくり返ったらどうにも融通がきかない。まさしく亀だ。