2000/04/05
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カメラ雑文

[745] 2012年02月23日(木)
「発売前のカメラを予約購入するなど・・・」


今話題になっている「OLYMPUS OM-D E-M5」。
予約販売でそれなりに注文が入っているらしい。まだ画質がどうなのかがハッキリしないカメラを予約するなど理解に苦しむ。それに、発売から1ヶ月も待てば値段もかなり下がるはず。
予約までして買おうなどというのは、よほどのOLYMPUS好きなのか?

<OLYMPUS OM-D シルバー>
OLYMPUS OM-D シルバー
[Nikon D700/50mm/ISO800] 2012/02/10

まあ、我輩もかつて銀塩カメラを作っていた頃のOLYMPUSは好きであった。しかしそれも遠い昔の話。
それから時代も変わり、OLYMPUSはOMマウントを捨て、フォーサーズへ移行してしまった・・・。

OLYMPUSがフォーサーズ規格を他社との共同で立ち上げた時、「デジタルに最適化されたシステムを新たに構築した」と宣言した。しかし我輩はこのことについて「未だミラーボックスという呪縛に囚われているじゃないか」と雑文で批判した(参考:雑文554「過去の概念による呪縛」)。

その批判を受けてOLYMPUSが遅まきながら開発したのが、ミラーボックス(ミラーを上下動させるユニットボックス)を廃したマイクロフォーサーズ規格である。
これにより、我輩が予言したとおりシステム全体がコンパクトになり、デジタルならではの可能性が広がった。

だが問題はファインダーであった。
ミラーボックスレス(以下"ミラーレス"と略す)のカメラは、光学的にはレンズとイメージセンサーで完結してしまうため、電子式のファインダーである映像出力装置を別途設ける必要がある。

ミラーレス機のファインダーについて、我輩は当初、EVF(電子ビューファインダー)しか頭に無かった。なぜならば、以前我輩が使用していた「OLYMPUS C-700UZ」というコンパクトデジタルカメラには当たり前のようにEVFが搭載されており、当然この方向で技術が進むものだと思っていたからだ。

EVFの利点は、何と言っても"安定性"。
つまり、「カメラ保持の安定性」と「外光に影響されない見え方の安定性」が得られる。

ところが実際にマイクロフォーサーズカメラが出始めると、EVFを持たず背面液晶をファインダー代わりにする機種が多いことに気付いた。これはまさにコンパクトデジタルカメラと同じで、これではカメラを構える手が前に出てシッカリと保持出来ずブレが多発してしまうし、明るい場所では液晶パネルが見えにくくなることもある。
そもそも我輩が「OLYMPUS C-700UZ」を選んだのは、明るい光に左右されず安定してファインダーを確認出来ることを期待したからであった。

もちろん、液晶パネルをファインダー代わりにすることはメリットもある。
1992年、「液晶ビューカム」というビデオカメラが登場したが、それはEVFの代わりに液晶パネルをファインダーとした新しい形態のカメラだった(当時、このビデオカメラがかなり欲しかったことを覚えている)。それにより、様々なアングルからのビデオ撮影が容易になり、今ではほんどのビデオカメラは液晶パネルを持つようになった。

しかしビデオカメラの場合、液晶パネルとEVFの両方を持つのが常識で、我輩が持っている手のひらサイズの小型ビデオカメラ「SONY DCR-HC30」でさえEVFが付いている。だから、ミラーレス機ならばEVF搭載は当然だろうと思っていたのだ。しかしその期待は裏切られた。
小型のビデオカメラにEVFが搭載されているのに、小型のデジタルカメラにEVFが搭載されない理由は何なのか?

理由の幾つかに、技術的なものもあろうかと思う。
すぐに思い付くのは、EVF液晶の解像度だろうか。ビデオカメラよりも高い解像度を要求されるデジタルカメラでは、EVF液晶もそれなりに高い解像度が無ければならないはず。拡大表示せずそのままMF出来るのが理想。
なかなか難しいとは思うが、その要求もいつかは十分な性能を以ってクリア出来るものだと思う。実際、iPhone4のように「網膜解像度を越えた!」などと喧伝する液晶もあるくらいだから不可能ではあるまい(iPhone絡みの情報はどれも胡散臭いが)。

我輩は日常携帯カメラとして、ライブビュー式の「GF1」、そして「GF3」を購入してきたが、これはコンパクトさを優先させたゆえである。だから、高感度域での画質やライブビューによる不安定な撮影では問題がある。
もちろん、気合を入れて低感度でブレないよう気を付けて撮ればフルサイズにも匹敵するが、実際にはなかなか難しい。

このことは、マイクロフォーサーズのシステムを拡充させることに抵抗を感じさせることにもなる。
つまり、「ライブビュー式カメラに高性能なレンズを揃えてももったいない」という気持ちだ。もし本気で使えるマイクロフォーサーズカメラを持ったならば、それこそ超広角やマクロレンズ、そして大口径レンズなどを揃えて完全武装したいと思うことだろう。

そんな本格的EVFカメラの候補として、LUMIXのG3やGH2などが挙がった。
特にGH2はフルハイビジョン撮影に関しては60iのAVCHD記録が可能で、デジタルカメラで本格的なビデオ撮影するならばこれしか選択肢が無い状況が続いている。

しかしビデオカメラとしては優秀ではあっても、スチルカメラとして見るとそれほど特筆すべきものが無い。
確かに、我輩の「GF1」や「GF3」よりは性能の良いイメージセンサーを使っているらしいが、それでもサンプルを見た限りでは劇的な違いがあるわけでもない。だから、わざわざGH2を買い足す気が起きない。

そんな時ちょうど、OLYMPUSから「OM-D E-M5」が発表された。
このカメラは、ペンタプリズムを模した形状部分にEVFを組み込んでいた。OLYMPUSとしてはEVF内蔵型のマイクロフォーサーズカメラは珍しい。

まずそのデザインに目を奪われた。
もちろん、カッコ良い悪いの話ではない。ペンタ部のプリズム型デザインなどは必然性は無く、デザインのためのデザインなのだが、ただ少なくともOLYMPUSのこのカメラに対する本気度が伝わってくる気がする。
だがそれは漠然とした予感であって、確信ではない。だから、早くそのカメラの画質を見て判断したかった。

待ちに待った「Nikon D800」の画質が期待外れであったこともあり、「OM-D E-M5」に対する期待は日を追うごとに増して行く。しかしその作例画像はなかなか出てこない。
非公式に公開される画像もあるにはあったが、JPEG画像であったり、リサイズされていたりして参考にならない。

そして、最近になってようやく「OM-D E-M5」の非公式のRAWデータが流出した。
そのRAWデータは我輩の「SILKYPIX Developer Studio 4.0」では未対応で読めなかったのだが、某掲示板の情報を参考にしてバイナリエディタを使い撮影カメラ情報を「E-M5」から「E-P1」に変えたところ、ようやく見ることが出来た。もちろん、「SILKYPIX」が正式対応しなければ収差補正などが適用されないなど不都合もあろうかと思うが、取り急ぎノイズの出方などを確認したい。

それらを見たところ、ノイズについては少なくとも「GF3」よりは良いという印象を持った。
だが、同じ被写体に対して感度別で撮り分けたものではなかったため、どれくらい良くなっているのかというのがあまり分からない。やはり、発売された後に出てくるであろうユーザー作例を待つしか無いか・・・。

それでも引き続き情報を得ようと色々なサイトを巡っていたのだが、たまたま動画投稿サイト「YouTube」に上がっていた「OM-D E-M5」のブレ補正の様子を見て驚いた。
激しく揺すられる「OM-D E-M5」の背面が写っていたが、液晶画面には、まるで別撮りされているかのようにピタリと止まったライブビュー映像が出ていた。
「凄いなこれは。今までとはブレ補正の次元が違うぞ・・・。」

そしてもう一つ見た動画は、「OM-D E-M5」のイメージセンサーユニットの動作シーンである。
振動というよりも、大きく往復するイメージセンサーの様子が写っていた。思わず笑ってしまうくらいの動きで、これを見た瞬間「ああ、これは来たな」と思った。
購入の時が来たのである。
予約購入をすることについて理解に苦しむ我輩であったが、今、それが理解出来た。

購入が決まれば、後はどこで買うかの問題。金策については、とりあえず家計からの借金を期待する。
2012年2月22日現在、「価格.com」での「OM-D E-M5」のシルバーボディ最安値は、「富士カメラ」の94,295円であった。ここでは予約値引きがあり、その値段から更に2,100円安く92,195円となる。
しかしこれでもまだ高い。9万円台という数字は10万円に近いので怖気づく。

そこで、他のカメラ店にも割引きが無いかを見てみた。するとなぜか「アライカメラ」での販売価格が88,500円となっているではないか。
「8万円台・・・?」
確かこのカメラ店のサイトは前にも見たことがあったが、その時は9万円台だったはず。実際、「価格.com」での表示を見ると94,300円となっている。なぜだ・・・?

恐らくこの8万円台の価格は、深夜のサービス価格なのではないかと思う。だとすれば、次の朝にはまた9万円台に戻るというわけか。
それにしても、8万円台の価格は他には無い・・・。

結局、この8万円台の価格に押されて購入予約してしまった。
選んだボディ色はシルバー。黒は革張りがダサいので論外。

翌日の昼間、アライカメラからの案内メールが来たので見てみると、やはり88,500円のお買い上げとなっていた。間違いではなかったようだ。
ちなみに、その時間に再度「アライカメラ」の注文ページを見たところ、値段は94,300円に戻っていた。

どうせ借金をするならば、大きく行きたい。
ちなみにこれまでの借金が80万円あるので、切りの良いところで100万円の大台に乗せてみよう。そうなると、今回利用出来る金は20万円となる。
毎月1万円の返済、完済するには8年ちょっとかかる計算。

とりあえず、「OM-D E-M5」のアクセサリを揃えたい。

まず、予備バッテリーは必須。充電中に使えないのは困る。
アイカップはついでに買っておく。
バッテリーホルダーは、グリップ性向上のためあったほうが良かろう。高感度はなるべく使いたくないのでグリップ性を高めることは重要だ。

アクセサリの次は、超広角レンズが欲しいところ。
以前からPanasonic製超広角ズーム7-14mmが気になっていたので、「フジヤカメラ」で中古品を注文。

またイメージセンサーの小ささを有効利用するには超望遠撮影も重要だ。カワセミ写真にも投入してみたい。
しかし予定借金を越えるので、これ以上のレンズ購入は難しい。この際、手持ちのNikon製望遠レンズを活用してみようと、マウントアダプターを購入することにした。「フォトショップサイトウ」でGレンズ対応のものを注文。

細かい計算は省くが、これで大体20万円となる。
「OM-D E-M5」とそのアクセサリの入手はまだ1ヶ月以上先になるわけだが、超広角ズームとマウントアダプタは間も無く届くことだろう。

とりあえずは新たなレンズを「GF3」で試しながら、ゆっくり「OM-D E-M5」を待ちたい。
もちろん、「OM-D E-M5」が届いたら直ちに厳しいノイズチェックを行い、雑文にて掲載する予定である。

<1ヶ月後、このカメラが届く予定>
1ヶ月後、このカメラが届く予定
[Nikon D700/50mm/ISO800] 2012/02/10