2000/04/05
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カメラ雑文

[659] 2009年04月16日(木)
「Canon EOS 5D Mark2を使い始める」


先日購入した「Canon EOS 5D Mark2」のレンズキットについて、「クルマ関係のミニオフ会」、「博物館見学」、「豚児入学式」というイベントで使ってみた。

このカメラの位置付けとしては、「ミニオフ会」と「博物館見学」では単独メイン機材、「豚児入学式」では中判カメラの補間撮影用とした。
特に入学式では、ハイビジョンビデオ撮影機材としてこのカメラを使った。


<ミニオフ会>

●撮影条件

去年のJAF運転講習会で知り合ったM氏と、箱根のTOYOターンパイクにて撮影ドライブを行った。お互いに濃色ボディ車のため逆光はタブー。特に我輩のクルマは順光でないと色がほとんど出ない。富士山をバックに撮影することを考えると、順光となる時間帯として午前中で設定した。
撮影は8時スタートし、10時までは曇り、その後は快晴。12時前に終了した。

撮影に使用したレンズは、レンズキット付属の「EF24-105mm F4L IS USM」と、古い「EF100-300mm F4.5-5.6 USM」。
濃色ボディのクルマは撮影条件によってコントラストがかなり変化するため、後処理の可能性を考えてデータ記録はJPEG形式+RAW形式とした。
撮影感度は、これまでの慣習からISO400とした。

気になる動画撮影に関しては、ここでは試す機会が無かった。

●撮影結果

カメラの背面液晶画面で見ると、撮影1枚目から露出オーバー気味に見える。一応、白飛び警告は無かったのだが、画としては明るく濃度が薄い。液晶表示だけの問題かどうかという判断に迷ったが、念のためにマイナス補正で撮影した。結果的にその判断は正しかったと思う。コントラストが高いせいで、シャドーは暗く潰れそうになっているが、ハイライトも白飛びギリギリであった。

「EF24-105mm F4L IS USM」では、画面中心部の解像感は素晴らしい。これは光学的な解像力もあろうが、手ブレ防止機能の恩恵もあることは明らか。「EF100-300mm F4.5-5.6 USM」のほうでは、手ブレ防止機能が無いために微少なブレが認められた。

ただし「EF24-105mm F4L IS USM」の周辺部のハイライトのエッジには色ズレ(色収差)がかなり目に付く。画素数が多いため目立つのだろうか。一応、RAWデータならば色ズレの補正機能があるが、1枚1枚をちまちまとRAWデータを加工するのは膨大な時間がかかる。もちろん、色ズレだけに限定して一括処理すれば良い話なのだが、逆に言うと、それだけのために容量の大きいRAWデータで撮るメリットが感じられない。

<周辺部ハイライトの色ズレ>
周辺部ハイライトの色ズレ

周辺部ハイライトの色ズレ

一方、JPEG画像のほうは、コントラストの高さを和らげようとトーンカーブを調整してみたが、諧調も滑らかで特に破綻無く自然な仕上りとなった。これまで「Nikon D200」ではクルマの撮影はRAWデータからDライティング処理をかけていたのだが、今回の結果を見るとJPEG記録だけでも良さそうに思う。
しかも、RAWデータから色々と調整して吐き出した画像は、後で見ると色がおかしい。時間をかけて色の調整をしていると目が慣れて気付かないせいだろう。それならば撮影時にホワイトバランスに気をつけてJPEG画像を得たほうが良いと判断した。
ちなみに、オートホワイトバランスでも良好な結果となったため、物撮り以外ではオートホワイトバランスを利用することとしたい。

いつもであれば、大量の撮影をしようとも、使いたい画像だけをレタッチしており、無制限に時間を浪費することを防ぐようにしていた。
しかし今回の撮影では、我輩だけでなくドライブに同行したM氏のクルマを撮影しており(M氏はカメラを持っていない)、少なくともM氏のクルマの写真については早急に全カットレタッチし画像データを渡す必要があった。
もし全カットRAWデータを処理していればとんでもないレタッチ時間が必要であったろう。それはもはや、貴重な人生のうちの無駄な時間浪費でしかない。


<博物館見学>

●撮影条件

神奈川県の「生命の星地球博物館」及び千葉県の「歴史民族博物館(れきはく)」で撮影してみた。
ちなみに、後者は以前「Nikon D200」でも撮影しているため、同じ被写体をカメラを替えて撮り比べることが出来ると考えた。

また、ストロボが使えない室内撮影のため、手ブレ補正を期待して「EF24-105mm F4L IS USM」のみを用いた。
感度はオート、絞りはF5.6での絞り優先モードにて撮影した。

●撮影結果

これまでの1,000万画素クラスのカメラでは、展示物全体の撮影の他、細かい字で記述された説明文などは別撮りしていた。
ところが今回の2,000万画素では、展示物全体を1枚撮れば、その写真から細かい説明文も読み取れることが出来た。
下記写真は、同じ展示物を「Nikon D200」と「Canon EOS 5D Mark2」で撮り比べたものだが、どちらが有用であるかということは言わずとも明らかである。

<Canon EOS 5D Mark2>
Canon EOS 5D Mark2

Canon EOS 5D Mark2
<Nikon D200>
Nikon D200

Nikon D200

もちろん、2,000万画素で全てが解決するわけではない。
手ブレ補正能力を上回るブレ(つまり低シャッタースピード)があったり、展示物の奥行きのために被写界深度からハミ出たり、そもそも2,000万画素の分解能を越える展示物については、別撮りを余儀なくされる。

それ以外にも、このカメラは露出過多となり易いように感じた。そのため、マイナス1/3〜2/3にて露出補正を常用した。暗い中でライトアップされた展示というシチュエーションが苦手なのかとも思ったが、屋外に停めたクルマの写真を撮った際にも同様にオーバーとなってハイライトが飛んだ。

また、今回使った「EF24-105mm F4L IS USM」では樽型の収差が大きいためパネル展示の撮影では額縁の膨らみが気になる。四隅を合わせるだけの単純な補正では歪みが残る。

<パネル展示の額縁が膨らむ>
パネル展示の額縁が膨らむ

さらに言うと、毛足の長い厚手のシャツなどを着てカメラを肩から提げていると、モードダイヤルが摺れていつの間にかモードが替わっていることが多発した。我輩の場合、ユーザー設定モードで「C1」は高画質、「C2」は低画質として使い分けているのだが、もし知らぬままモードダイヤルが動いてしまうと、高画質で撮ったつもりが低画質で撮ってしまったというケースがあり得るため注意が必要。

しかしそれにしても、今回の予想以上の効果に驚かされたことは間違いない。もし今後「4,000万画素のカメラ」、「高性能レンズ」、「強力な手ブレ補正」という組み合わせが使える時代になれば、撮影枚数が大幅に減り、資料収集の手間もかなり軽減されるものと期待する。


<豚児入学式>

●撮影条件

豚児関係のイベントでは、基本的に66判写真を制式としている。
しかしながら、入学式の行事そのものは体育館、つまり広い屋内で行われ、ストロボを使おうともクリップオン程度のものでは用を為さぬし、望遠で撮ろうにも遠過ぎる。
そこで役割を明確にするため、66判は校門近くで撮る記念撮影や教室内でのブリーフィングの場面に限定して使うことにする。

そういうわけで、体育館での入学式については、フィルムではなくデジタルカメラでの撮影に集中したい。
ただし豚児イベントの撮影順位付けとしては、「66判>ビデオ>デジタル写真」となる。66判とデジタル写真はどちらもスチル写真だが、ビデオはムービー映像という大きな特長があるから順位付けを低くすることは出来ぬ。
ところが今回使う「EOS 5D Mark2」では、ビデオ撮影中でもスチル撮影が可能なため、ビデオ撮影をメインとしつつもデジタル写真も積極的に行いたい。

ところで音声は、一応は「5D Mark2」本体に内蔵マイクがあるためモノラルでの録音は可能である。しかし手元にステレオマイクがあるので使ってみようかと思う。ただしカメラに固定するには一工夫必要で、ストロボシューの角度を自由に変えられるアクセサリを使って自作してみた。
異様な外見ではあるものの、これが最善かと思う。

<外付けステレオマイクを装着>
外付けステレオマイクを装着

また、手元のメモリカード(コンパクトフラッシュ)の最大容量は4GB。これでハイビジョン撮影はさすがに容量が足らぬだろうと思い、前日に16GBのカードを買い足した。200倍速のもので4,400円ほど。300倍速のものでは値段が高く手が出ない。

体育館でのイスの並びは当然ながら保護者席が一番後ろになる。着席した状態では体育館の壇上しか見えない。席が決まっているならば仕方無い・・・と思ったところ、左右の壁際に立ってビデオカメラを持っている保護者たちがいるのに気付いた。中には三脚を立てている者もいる。
そこで我輩も、その列に加わる形で壁際に立った。前方に席のある新入生は後姿となるものの、全く姿が見えないという状態よりは良い。また、体育館全体が見渡せるようになった。

●撮影結果

「5D Mark2」はよく使う設定の組み合わせをC1〜C3に登録することが出来るため、我輩はビデオ撮影用の設定をC3に登録しておいた。その設定でライブビュー状態にして「SET」ボタンを押せば録画が始まる。
今回の撮影では「EF24-105mm F4L IS USM」で撮るには少々距離が離れていたが、ハイビジョン撮影であるから少しは救われよう。

それにしても問題はピント合わせである。
動画撮影中にピント位置を変えようとすると、AFボタンでAFが働くものの、撮影中にピントが行ったり来たりを繰り返すため、AFを利用するならその部分は編集してカットせねば見苦しい。
今回は音声の連続性を考えて、問答無用のカットが強いられるAF動作はさせず、MFにて対処した。液晶画面でのピント合わせは苦労したが、後で取扱説明書を読み返したところ、画面を拡大してピント合わせ出来るようだった。今後はこの方法を試したい。

さて、シーンごとに細切れ撮影しているとはいえ、長時間撮影しているとカメラの温度が上がってくるのを感じた。さすがにフルサイズの撮像素子が発熱しているのだろうか。それでも、約3時間のイベントによく耐えてくれた。
結果的に16GBのメモリカードを使い果たし、4GBのカードを半分まで使ったわけだが、バッテリーも1個だけで十分間に合った。

撮影した動画をカメラの液晶画面で再生した限りでは画質はごく普通だが、パソコンで改めて再生したところ、処理速度の限界でコマ落ち再生してしまうものの画質自体はかなりのもので、全体の様子を映しながらも一部分もよく見える。だから肉眼で見ているような感覚があり、そういう意味で非常にリアルだった。
もはや普通のビデオカメラには戻れない。

しかも今回使った外付けステレオマイクの効果は劇的で、ステレオの効果はもちろん、カメラ内部の音を拾わずにクリアな音が記録されていることで、非常に臨場感がある。ハイビジョンビデオ撮影を主体とするならば、外付けステレオマイクは絶対に使ったほうが良い。

ちなみに、動画撮影中にシャッターを切ったものについては、動画記録が1〜2秒ほど中断する。だから、ある瞬間の映像はスチルあるいは動画のどちらかしか選べないわけで、決定的瞬間は事前にどちらで撮るのかということを決めておく必要があろう。

●カット編集&ブルーレイディスク化

DVDを実家で観てもらう時には単純にDVDプレーヤーを実家に贈って(送って)テレビに接続してもらえば済んだのだが、ハイビジョンであるブルーレイビデオの場合は、高価なブルーレイプレーヤーと共にハイビジョン対応テレビへの買い替えも必要となる。今の段階では10万円を越える出費となり現実的ではない。我が家のリビングのテレビでさえブルーレイビデオが観られない状況で、実家のブルーレイ環境を整えることは不可能である。

そういうわけで、ハイビジョンの高画質な元データは蓄積しつつ、当面はスタンダード画質に変換したものをDVDビデオ化するしかない。

さて、これまで我輩は、ビデオの編集は「Ulead VideoStudio 11」というソフトを使っていた。
今回はハイビジョンのデータ(H.264のMOV形式)であるが、この「VideoStudio」はハイビジョンデータの編集にも対応しているとのことで、特に問題無く編集が行えるだろうと思った。

ところがカット編集したまでは良いが、その編集結果を書き出すには「AVCHD形式」あるいは「MPEG2-HD形式」を選ぶしか無い。両方試してみたが、データ量は劇的に小さくなるものの、やはり再圧縮すると画質低下が避けられない。どちらもクオリティが低下しているのがあからさまに分かる。
元が高画質なだけに、ちょっとでもクオリティが下がるとすぐに判るのだ。

かと言ってカット編集しないまま残しておくにはあまりにデータ量が大き過ぎる。だから、再圧縮せずに余計なカットだけを取り除ことが出来るのが理想。

調べてみると、カメラ付属ソフトの「ZoomBrowser EX」では再圧縮せずに書き出せるということが分かったが、カット編集とは言えないレベルのことしか出来ないらしい。
しかも、MOV形式の動画を撮影した際に同時生成されるTHM形式の小さなデータが無いと動画が認識されないとのこと。我輩はこのTHMファイルが何のためにあるのか分からず削除していたため、どちらにせよ今回撮影した分については「ZoomBrowser EX」が使えない。

結局、アップルコンピュータの「QuickTime Pro(3,400円)」というソフトを使うことで、カット編集と再圧縮無しの書き出しが可能となった。
これにより、カット編集した高画質な元データ(MOV形式)と、それを基にして変換したDVDビデオ用スタンダード画質のデータ(MPEG2形式)を得ることが出来た。ただし、DVD用データのほうはスタンダード画質ということを考慮しても画質が良くないのが残念。
やはり、ハイビジョンで撮影したビデオはハイビジョンで鑑賞せねばもったいない。

そんなことを思っていると、パイオニアの「BDP-120」というブルーレイディスクプレーヤーが3万円を切る価格で5月下旬に発売するというニュースを知った。これならば何とか買えるかも知れない。
とは言っても、ハイビジョン液晶テレビのほうはまだ高く、安くとも7万円はする。それが買えなければ、いくらプレーヤーが手に入ったとしても無意味。 ハイビジョンの閲覧環境は、やはり未来の世界にしか無いようである。

ちなみに、先日購入したブルーレイディスクドライブ(参考:雑文649「画像ファイル管理」)に付属していたブルーレイビデオ作成ツールで試しに作ってみたところ、メニューレイアウトなどの自由度が低いものの、それなりの形にすることは出来た。
ブルーレイディスクドライブがが接続された我輩のメインパソコンでしか観られないが、高品位なビデオが意外にもコマ落ち無くスムーズに観ることが出来たのが嬉しい。


以上、「Canon EOS 5D Mark2」を使ってみた印象であったが、使いづらい点は少なからずあった。
しかし2,000万画素とフルハイビジョン撮影機能の持つアドバンテージは現在のところ唯一無二の存在で、このカメラにしか撮れない映像があるという事実は大きい。

今回はあくまでも問題点の洗い出しということを行ったつもりである。欠点があるからダメだということではない。

今後は、如何に欠点を回避し撮影結果に繋げるかということを考えていきたい。