2000/04/05
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カメラ雑文

[644] 2009年01月15日(木)
「ネーミングルール(Nikon編)」

最近、デジタル一眼レフカメラのネーミングについて理解に苦しむ点があり、我輩なりにメーカーによるネーミングルールやネーミングの経緯を想像してみた。
今回、Nikonのデジタル一眼レフカメラについて書くことにしたい。
なお、ここでの記述はあくまで我輩の勝手な想像であり完全なるフィクションであることを強調しておく。


−Nikonの場合−

最初は富士フィルムとの協業でデジタル一眼レフカメラの可能性を探ったが、そのノウハウを活かして、初のNikon独自ブランドとしてのデジタル一眼レフカメラ「D1」を開発した。
型番としては、フィルムカメラの場合は「F」であったから、それに倣いデジタルカメラは「D」でいいだろうという発想であった。つまり、完全にフィルムカメラのネーミングを踏襲するつもりであった。

フラグシップ機は一桁であるから「D1」となるのは当然。
「D1」は「F5」をデジタル化したものという位置付けで造られたため、当然ながら「F5」のサブセットである「F100」もデジタル化することになる。それが「D100」である。「F100」同様に「D100」はハイアマチュア用という位置付けとなる。
一方、製造コストを下げて本格的な普及タイプの流れを作るため、こちらもフィルムカメラと同様に「D二桁」系列を作ることになった。

以上により、プロ用「D一桁」系列、ハイアマチュア用「D三桁」系列、普及タイプの「D二桁」系列という3つの流れが何となく決まった。

まずプロ用「D一桁」系列については、ネーミングが「D一桁」とするならば当然ながら9種類しか許されない。しかし今のところ「D一桁」は3〜4年周期のため、そこから予想するにあと20数年は安泰だ(2009年時点での計算)。

問題は普及タイプの「D二桁」系列である。
とりあえずの中間的位置付けで「D70」を開発し、その後、前後の型番を埋めるつもりであった。
ところが普及クラスはNikon社内でもあまり厳密に管理されていないため、開発チームごとに勝手に名付けてしまい、「D一桁」のように世代交代カウントアップしているものもあれば、別なところではラインナップ分けで割り振ったりと、混沌とした状態となってしまった(具体的に言うと、「D80」の後継が「D90」であるが、一方で「D50」は「D40」の後継機というわけではなく単なるクラス分けである)。
このまま行くと「D10」、「D20」、「D30」も意味無く使い尽くして番号は枯渇してしまう。
ただし過去の事例を参考にするならば、「Nikon U」というような唐突な名前を付けたこともあるため、いざとなれば「Nikon V」とか「Nikon X」などという法則を外れたネーミングで行こうと思っている。マニアックなところで「Nikomat」のネーミングを復活させれば、カメラマニアにもウケて話題作りにも役立つだろう。

一方、フルサイズ機が登場して新たな混乱が起こった。何しろ、Nikonは当初フルサイズ機を開発するつもりは無く、フルサイズとAPSとの区分けを想定していなかったのである。しかしニーズ(正確には営業サイド)に押されてフルサイズカメラを開発せざるを得なくなった。
「D3」はフラグシップという流れで「D一桁」のネーミングに沿えば済んだが、「D700」は問題だった。ハイアマチュア用としては「D3桁」のカテゴリになろうが、APSシリーズとは区別せねばならないし、後継機の余地も残さねばならない。そうなると、苦肉の策として「700番」あたりからスタートして問題の先延ばしを狙おうかと思った。これならば、APSが「D100」、「D200」、「D300」と上がってきてもあと3機種「D400」、「D500」、「D600」が出せる。それだけあれば、あとはフルサイズも廉価になるだろうからAPSを終わらせてしまえば良かろう。
また「D700」の後継としては、「D800」、「D900」の2つとなるが、その先はその時になって考えようということになった。

しかしハイアマチュア用の機種投入サイクルは早いため、ネーミングリソースは早めに枯渇することは誰の目にも明らかであった。かと言ってハイアマチュア用に「Nikon U」のようなネーミングは使えない。
現在、Nikon社内ではこの話題はタブーとなっている・・・。


・・・以上、我輩の想像だったが、当たらずとも遠からず。まあ、こんなところだろう。

※その他参考として雑文184「名前」

(参考)Nikonのネーミング系列を図化したもの
Nikonのネーミング系列を図化したもの