2000/04/05
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表紙

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2.用語集
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5.カメラ雑文
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カメラ雑文

[484] 2004年04月20日(火)
「初心に還る」

最近の我輩は、デジタルビデオの撮影や編集をしている。そのことは何度も書いた。
これは趣味としてやり始めたため、向上することが何より大事。逆に言えば、向上出来ない趣味はすぐに飽きる。

以前の我輩は、プロの撮影する映像と比較して画質が決定的に悪いアナログビデオを前にして、向上心など全く湧かなかった。どれほど努力しようと、プロに迫ることは最初から不可能であることが分かってしまっている。
もし撮影した映像を編集して見易くしようとしても画質劣化が避けらないため、画質を優先するならば撮りっ放しにする以外無い。

しかし現在ではビデオもデジタル化され、どんなに編集しようが画質の劣化はほとんど無い(全く無いというわけでもない)。アマチュアの象徴である撮りっ放しビデオを超えることが出来るようになった。しかもデジタルビデオの映像はパソコンとの親和性が高く、編集はパソコンの画面上でソフト的に行え、再びビデオテープに書き戻せる。複数のデッキや編集機材は必要無い。
良い時代になったものだ。

これらビデオ撮影・編集の作業を通して、我輩はふと、写真を趣味とし始めた頃のことを思い出した。
小中学生の頃、我輩は自分のイメージ通りに写らないことが不満で、どうすれば解決出来るかを一つ一つ考え実行した。参考となるものはカメラ雑誌くらいしか無く、それを自分なりの方法にアレンジして解決していった。
(雑誌に載っている方法は機材が必要で金がかかるため、同じ効果を廉価に再現出来るよう工夫せねばならない。そのため自分なりの方法にアレンジする必要があった。)

成人してから写真の趣味を始めた者に比べると、我輩の進歩の度合いは全くの牛歩であろう。写真に不満を感じたならば、金を出して機材をポンと買えば済む。接写をしたければ、接写リングと三脚を買い足すだけですぐに写真が変わる。
我輩の場合、満足な接写が出来るまでは数年かかったものである。カメラボディから外した交換レンズを手で保持しながら身体の前後によってピントを合わせるという方法のため、遮光性やレンズ面の平行性を保つという熟練を要するのだ。(参考:雑文151「冒険野郎マクガイバー」の手写リングの記述)
そういった熟練は接写リングを入手出来た時点で無意味となったのだが、それでも自分の努力によって結果が変わるということを手応えとして感じた。これこそが向上心を維持する原動力であり、趣味としての面白さである。

ところで、向上というのはそもそも問題意識があってこそ成し得る。
現状に問題があっても気付かないか、あるいは気付いたとしても「アマチュアだから」などと理由をつけて諦めているならば向上は期待出来まい。
特に、趣味のやり始めは問題点が幾つもありどこから手を着けて良いか分からないこともあろう。しかし少しずつながらも着実に向上すれば、いつか必ず目標とする到達点に辿り着く。(参考:雑文437「一つずつ」

我輩はビデオを趣味とし始め、その向上課程をスチルカメラの時と同じように再び歩んでいる。まさしく初心に還ったような気分。
その道筋はなかなか険(けわ)しいが、初期の向上であればあるほど改善が目に見えて反映されるため、今が最も面白い時期と言える。

ちょうど昨日、ビデオテープを整理していて、その中に8年前に撮影したテープが出てきた。それは我輩が最初に購入したデジタルビデオ「ビクターGR-DV1」で撮影した江ノ電とビジネスショウの映像だった。
当時は「必要な情報が得られればそれで良い」という考えのため、中には縦位置で撮影した冗談のようなカットさえあった。
こうやって改めて当時の映像を観ると疲れる。手持ちによるブレやズーム多用、そしてダラダラと撮りっ放し。自分一人の思い出には良いが、とても人に見せられる映像ではない。

現在は編集を前提にした撮影をしている。あらかじめ完成品が頭の中に出来上がっており、そのために必要な素材を集めるように撮影するのだ。
そうやって出来上がった映像は、なかなか見応えある作品として出来上がった。出発点が低いだけに、少し向上すると見違える。
これなら、人にも見せられよう。

ところが良く見ると、映像が微妙にシロウトくさい。原因は、画面の微妙な揺れであった。
今日のビデオカメラにはテブレ補正機能が付いているのだが、それは小刻みな揺れを打ち消すには有用ではあるものの、ゆっくりと動くとどうしようもない。船に乗ったかのようにユーラユーラと画面が動いて落ち着かない。
そこで三脚に固定して撮影してみた。ガッチリと画面が安定して非常に見易くなった。やはり三脚を使い固定させると映像が締まる。
少し向上したと言えよう。

しかし豚児を撮影していたため、豚児が元気良くバシバシ歩いてフレーム外に外れそうになると、横にパン(首振り)しなければならない。ところがスチルカメラ用三脚であるため、パンニングはギクシャクして滑らかでない。
そういうわけで、やはり雲台だけはビデオ用とする必要があると判断し、「マンフロット雲台700RC2」を9,800円にて注文した。もし社会人でなかったならば、既存の三脚を用いて根性で滑らかなパンニングを実現させるよう訓練を積んだろう。

他にも、パソコンのOSの論理的限界により4GB以上のファイルが生成出来ないためWindows XPにアップグレードする必要が発生した。AVI形式で動画ファイルを作成すると、20分くらいの動画で4GBを超えるため、当初は20分未満に区切って順次ビデオテープに書き戻していたわけだが、それらの継ぎ目でどうしても無駄なコマが入り込んだりとタイミングが難しいため(カメラ側の不具合か?)、やはりそれを改善するにはAVIファイルそのものを連続した一つのファイルとする必要があった。
Windows XP嫌いの我輩だが、改善のためには仕方無い。


現在のところ、それなりに満足してビデオ撮影を行っている。
しかし新たな撮影によって別の問題が持ち上がり、更なる改善を検討しなければならないこともあろう。もしそれが金銭的に見合わなければ、知恵を搾り解決の道を探すに違いない。
まあ、それはそれで面白い。

このようにして問題点を解決していくにつれ、いずれ向上することに行き詰まってくるだろうが、その頃までには自分なりの世界を切り開き、別な意味での喜びを獲得しているだろうと自分に期待する。
また同時に、写真の趣味に良い刺激を与えることも期待したい。